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『趣味は読書。』

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 あんまり面白かったのでレビューを書いてみた。
 
 「紅一点論」の齊藤美奈子著。

 「紅~」もサブカルチャーとか偉人伝記から見たジェンダー論で、どこまでまじめなのかおちょくってるのか、とにかく笑った。
 今回もよく笑った。「ベストセラーなんか読みたくない」「読まなくてもわかる」という善良でない人々のために、代理で読んで差しあげましょう、いう趣旨らしいが、あまりに奇抜な視点でオモシロイので元の本が読みたくなったしまう。
 これは齊藤さんにとっては不本意な効果なのか?それともまんまと齊藤さんの策にはまったのか?

 この本で一番びっくりした情報は、五木寛之「大河の一滴」の映画化にセルゲイ・ナカリャコフが出演してた、ってことでしょうか。
 セルゲイくん。超絶技巧の天才トランペット奏者。しかもT2のエドワード・ファーロングとタメをはれる美少年。いつの間に役者の道に・・・。

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『僕の大事なコレクション』

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<映画: ワーナー・ホーム・ビデオ、2008>

もうひとつのロード・オブ・リング。
イライジャ・ウッド主演というだけの情報で見始めた。
あんなギャグすれすれのオープニングでこの結末は何という裏切りだろう。

涙が止まらなかった。旅の前と後で何もかも変わってしまった。でも必要な旅だった。
イライジャの異様な無表情が旅によって解ける。奇妙なクセの意味がわかる。観ている我々だけでなく、イライジャ自身にも初めてわかるのだ。自分がなぜコレクションにこだわるのかが。

犬のサミーの変貌ぶりにも感動したが、アレックスの成長には感銘を受けた。実はイライジャではなく、アレックス役青年のユージーンが主役だったのだと最後の最後でわかる。何というどんでん返し。

何の予備知識も期待もなく観たのに忘れられない映画になった。

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『COPPERS 2 (モーニングKC)』

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<コミックス: 講談社、2009>

 オノさんのマンガには8頭身シリーズと4頭身シリーズがある。
 ”リスパラ”から入った私は、このCOPPERSの4頭身になかなかなじめなかった。
独特なデフォルメ。4頭身なのにギャグではなくシリアスでリアルな話の運び。これはどういう世界なんだろう、とのめりこむことができなかった。

 でも2巻を読んで4頭身が気にならなくなった。
 1巻からのささやかな伏線をすべて収束させるストーリーテリングがすごい。4頭身キャラのポーズや表情の記号が読めるようになった。そしてこの作者の持ち味といえる人情味。

 イタリアのレストランや江戸のソバ屋と同じ温かさが、この殺伐としたNYの警察署にも漂っている。


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『私は生まれる見知らぬ大地で』

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<小説: 2000、 角川書店、 エィミ タン(Amy Tan)著, 小沢 瑞穂訳>


 幾重にも重なった時空の複雑で美しい物語。

 主人公の姉クワンは幽霊が見えるという。クワンの目を通して、主人公は行ったことのない祖国・中国、自分と姉の前世、中国の歴史と関わっていく。
 主人公は最後まで、姉の能力を疑い続ける。前世療法やいろいろなスピリチュアル・セラピーが流行っているが、主人公は姉の話の真偽ではなく、姉の自分への愛情を心から信じられた時、救われた。

 母親への不満、父親の不実さ、夫への不信の間でゆれ動いていた中国系二世の主人公は、半分バカにしていた姉との会話を通じて、世界の見方が180度変わる。
 生まれ変わったのだ。
 ずっと異国だった中国が、とうとう祖国になったのだ。



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『Real Clothes 2 』

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<コミックス: 2007、集英社、槙村 さとる>

モードを提唱するおしゃれマンガ家がお洋服の話を描く!というので期待してるんですが・・・。

槙村さんは料理を描いても、服を描いてもスポ根になっちゃう。一見、イジワルそうな偏屈、冷酷キャラがコーチになって、甘ちゃんヒロインが開眼してゆくパターン。前向きにひたむきにがんばる若い女の子にエール・・・ということらしいですが、「イマジン・ノート」出して、ご自身が結婚なさった辺りから何だか上から目線で話を作っている感じになってお説教臭い。


でもこの表紙になっているモード・ババアは、小気味いい。これから10年後、20年後の自分の目標モデルのひとつとして参考になるなあ、と思った。

しかし「服が似合う身体はBMI20以下です。」ってのは厳しい~。女性人口の何パーセントがそこに含まれるんだ?BMI20以上の人は、服を着る資格がないってこと?どへ~。


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『フラワー・オブ・ライフ 4 』

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<コミックス: 2007、新書館、よしなが ふみ>

フィクションの『病気もの』でほとんど泣けたことがない。
帯に「感動の・・」とか「涙の・・」と謳ってあると、もう泣けない。
そんなヒネクレ者の私が、不覚にも涙が止まらなかった。
タイトルの意味がわかった瞬間に。

大体、この作者は容赦がない。登場人物にも読者にも。
はっと胸をつかれて感動した途端、笑わされる。ツッコミが入る。酔わせてくれないのである。不治の病の主人公にも、甘えさせてやらない。見守る家族のそれぞれの弱さもちっとも美化しない。恋愛も友情も不倫も将来の夢も、全く容赦なくズケズケつっこむ。
しかし突き放すことなく、挫折の先を温かく見守っている。
抑制が効いているが、冷酷ではない。

もっと安易にお涙頂戴することもできたのに。
受賞して明るい未来を夢見た矢先、再発がわかって、タイトル通り花に包まれて眠る主人公の葬式で終わることもできたのに。

そうはしなかった作者に感謝する。

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『めぐりあう時間たち』

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<映画、2005>


編集した人に乾杯。細かいエピソードや物が、三人の女性が生きた時間をつないでいく。

DVDで見る特典として、コメンタリーが素晴らしい。監督による解説はよくあるけれど、主要な三人の女優が交互に語る形式で興味深かった。

三人ともだいたい30-40代という設定だと思うが、この年齢の家庭を持った女性の幸福と紙一重の絶望が身近に共感できて怖いようだ。

クレア・デーンズがいい女優に育ったなあ。
救いのない結末がつらかったけど、エド・ハリスの涙が美しかったので、星4つ。

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『ナインス・ゲート』

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<映画: 主演ジョニー・デップ、2004>


一切、理屈をつけない。何も明らかにしない。
目的はただ、第九の扉を開けること・・・。
秘密結社が出てきたり、ダヴィンチ・コードと 似たようなモチーフを扱いながら、手法は対極 にある感じ。
映像の美しさとイメージ重視で、推理小説では なくオカルトなのでこれも有り。

かしこそうな役をやってるデップを初めて見た。
何をやってもこの人は、うさん臭いというか、 イタズラっぽいというか独特の味があっていい。

タバコと赤ワイン。そんで、女に迫られると 絶対断らない本の探偵。
……ハマリ役だな。


ちなみに同じときにやはりデップ主演のシークレット・ウィンドウを観た。
スティーブン・キング原作の後味の悪い映画。
こちらも狂気に落ちていく作家を好演。
何だかものすごく楽しそうだった。



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『世界中がアイ・ラヴ・ユー』

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<映画: 2001、主演ジュリア・ロバーツ>


とにかくすごい豪華なキャスト。
イツァーク・パールマンが短いシーンでヴァイ オリンを披露している。何だかもったいない。
エドワード・ノートンとナタリー・ポートマン が見たくてレンタルしてきたんだが、別に彼ら を起用する必要はなかったのでは、というくらい少な い出番。歌が聴けたのは良かったけど。

ミュージカル・ナンバーがまたジーン・ケリー かディズニー・キャラクターが踊り出しそうな レトロな音楽。
本当に21世紀の映画?
ウディ・アレンのノリっつーか、エスプリっつ ーか、がまだよくわかりません。

とブツブツ言いながら見たくせに、その後3日間テーマ音楽が耳を離れなかった。
……負けた……。



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