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旅行三日め

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同窓会が終わって、一応今回の旅行の目的は果たした。
今日はみんなセンターに見学に行くそうだが、私は昨日Sさんに案内してもらったからのんびりすることにした。
飛行機は4時。まるまる一日、予定が空いている。
20年ぶりの土地でどこにいこうか。
昨日会った誰かと連絡を取って一緒に過ごすことも考えたけど、何だかぼーっとして出かける準備が進まない。

結局また宿を出たのは11時過ぎ。
まずは空港バスの便が多くてロッカーが空いてそうなJR駅にタクシーで移動。
ベーカリーカフェで朝昼兼用のパンとコーヒーを摂る。
今日もぴかぴかのいい天気。昨日より気温が下がって空気が澄んでいる。ひとつひとつの物にくっきりした影がついて輪郭が冴え冴えとしている感じだ。

いろいろ考えたけど、結局学生の頃よく行っていたお寺にバスで行くことにした。
昨日、ジイ様に拉致されて行くのを断念した石手寺である。

IMG_6650s.jpg

四国八十八か所巡りのハイライト。かなり有名な寺らしいが、愛媛に行くまで知らなかった。
五重塔や立派な山門。お堂や宝物殿その他いろいろあって、何だかテーマパークのように充実した空間なのだ。
参道には年季の入った木のアーケードがあって、両側に怪しいお菓子だの数珠だのの店が20年前と寸分も違わず軒を連ねている。そして20年前と同じようにどぎつい色の油絵やヘンな木像があちこちに飾ってあって、ヒンドゥー寺院のような様相を呈している。

IMG_6668s.jpg


昔いつもしていたように100円のろうそくと線香セットを買う。薪に押し付けて苦労して線香の束に火をつけて、銅の大きな火鉢に立てる。なかなか火がつかないので、傾向と対策について情報交換が始まる。”巻き紙をはずしたらいいけん””真ん中が付きにくいけんちょっと押し出せばいいよ”みな線香の煙を思い思いの場所にかけている。私はとりあえず頭に。脳みそがちゃんと働きますように。

本殿の前にひのきの枝の大きな山ができていた。いい匂いだ。節分に護摩の火を焚くらしい。

この寺に来るといつもすることがある。
参道で名物の焼き餅を食べること。もうひとつはトンネルとくぐること。

トンネルは2筋あって、縦に裏山に抜けるルートと横に境内の外に出るルートがある。
それぞれ地蔵界マントラとか胎蔵界マントラとか名前がついてたと思う。中はほとんど灯りがなくて真っ暗。いつもぴちょんぴちょんと水がしたたり落ちている。センターラインに50センチ間隔ぐらいで小さなお地蔵様が並んでいて、それぞれ手編みらしい毛糸の帽子や前掛けを身につけている。トンネルの両側にもいろんな像が並んでいるし、時々トンネルがちょっとふくらんで直径150センチぐらいのホールになっててさらにごちゃごちゃっと仏像が飾ってある。でも暗いので細部は何も見えない。ただその密度に圧倒されるだけだ。

IMG_6675s.jpg

端から端まで歩く間、誰とも行き逢わなかったのは初めてかもしれない。トンネルの中は完全に私ひとりだった。でも不思議と怖くなかった。
お地蔵様の頭をなでながら暗いトンネルをゆっくり歩いた。

そうしているうちに、それはぽんと浮かんだ。

”不完全な自分を許そう”
”不完全な母を許して、不完全な自分を許そう”

ウツになってから自分を責めてばかりいた。
同時に母のこともずっと責めていた。本人にそれをぶつけたことはないけど、自分でも驚くほどいくらでも罵る言葉が心の中に湧いて出ていた。
実際には、私は母に言い返したことも、こうしたいと主張したこともなく、反抗期らしい反抗期もなかったのだが。
客観的にはいい母親だと思うし、仲のいい母娘だと思う。

でも心の中では、母の凛気、不寛容、自分で解決できない不条理を全部私にぶつけるところも、私自身を一度も評価してくれなかったことにも不満を貯めていた。


それでも私が不完全なように、母だってひとりの人間で凸凹があって当然なわけだから。

そう思えると、ふっと気持ちが軽くなった。
何だか生まれなおしたような気持ちでトンネルを出た。


バスで駅に戻ると、すぐに空港に向かうリムジンの出る時間。
帰りの飛行機では爆睡していた。

羽田から青森の乗り換えは1時間の余裕があったはずなのに、到着便が遅れたために松山空港発が30分以上ズレこんだ。同じ便で同窓会に出たメンツが何人も乗っていたので、羽田でちょっとおしゃべりできるかと思っていたのに残念。
飛行機が羽田に着くや否や機内アナウンスで呼び出され、カートをぶっ飛ばして乗換ゲートに直行してくれた。タラップの柱内部の螺旋階段を上がって出発ゲートに駆け込む。
この階段、普通は関係者の他は警護の必要なVIPなどしか使わないらしい。珍しい体験をしてしまった。

IMG_6705s.jpg

きっと一緒に羽田に着いた面々は大受けしたに違いない。
”最後までやってくれるぜ。さすが”と笑ったと思う。
なぜなら学生時代、いつも私は論文提出も学会の準備もギリギリで、毎度駆け込んで非常処置で何とかクリアしていたからだ。
毎度周りを巻きこんでしまい、”いつか痛い目見るよ”と叱られるのだが、今度こそダメかという事態でもなぜだか予想外の突破口ができたり、本番に強い毛の生えた心臓のおかげでできてしまったりするものだから、なかなか謙虚になれない。従って今でも立派に人間失格である。

というわけでちゃんとオチがついた。


青森空港ではちょうど雪がやんだところで、二晩空港駐車場に留守番させた車もスムーズに動いてくれた。路面は雪が乗っているおかげで良好。いつもより早いぐらいで無事、家に帰りついた。

猫たちも元気に出迎えてくれた。
一件落着。

おみやげはお世話になったみなさんに、山田玉饅頭。
名物の一六タルトも坊っちゃんダンゴもまさに”名物に美味いものなし”と悪名高いので、無難なものをチョイスした。

さ、また日常生活が始まる。


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〔テーマ:ひとりごとのようなものジャンル:日記

 









        
 
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