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category夢の記録

な~む~

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我が家には、仏壇がない。
もちろん実家に帰ると立派なのがあるけど、私の一人暮らしの部屋にはない。

私の部屋の西側に細長いちょっとした出窓がある。
そこからお山が見える。

1年のうち10ヵ月は冠雪している綺麗な円錐形の単独峰で、この土地の信仰の中心だ。

この窓があるから、そしてベランダに出ると、お山の肩に沈む夕日が見えるから、この部屋に決めたのだ。この窓からお山に向かって手を合わせる。別に山にある神社の氏子とかじゃないんだけど、この山に捧げるお囃子の笛を吹いているので、自然にお山に向かって祈ってしまうのだ。


弟が亡くなって3日めの朝。
この窓に弟が立っていて、山を見ていた。

そういう夢だったのかもしれない。
とにかくその日、午前中いっぱい多幸感が続くほどの明るいイメージだった。

というわけで、私は弟はあの山のてっぺん辺りにいるんだろうな、と思っている。私が笛を吹くとき、その音があのてっぺん辺りに届きますように、と思っている。

まあ、そう思っていても別に全然笛がうまくなるわけじゃないんだけど、ね。


で、それ以来、毎朝ではないけれどその出窓にお茶を上げている。
弟はアルコールに弱かったので、ビールのお相伴というわけにいかない。病院でよく飲んでいたレモンのドリンクをあげることもある。あとちょっと珍しい中国茶とか、味見させてやる。

ところがその出窓は、うちの猫ズも大好きな場所なのだ。

他にいくらでも窓もあるしベランダに出してやったりしているのに、その西向きの出窓は別格らしくいつもどうにかして登ろうとする。
2匹とも食卓やパソコンデスクにむりやり上がり込んでも、モノを落としたことない。追いかけっこする時にも無言で猛スピードで駆け抜けるが、何も被害を及ぼさない。

なのに、この出窓のお茶碗はひっくり返してしまうのである。


仕方ないので、台所と居間の間のカウンターの一隅にお茶をあげるようになった。
ちょうどその上の壁に弟の写真を飾っているから、まあいい位置なのかもしれない。カウンターだから花瓶も置けるし、ちょっとした食器もおける。

というわけで、その辺りに花を飾ったり、好きだったチーズケーキだのイチゴだの海老だのをお供えしている。
お供えを口実に、普段買わないデザートやちょっと上等な花を選ぶ。

朝、自分の分だけなら浄水器を通した水でOKなのだが、やっぱりお供えするならお湯を沸かしてちゃんとお茶を淹れなきゃって思う。
出かけたとき、季節の花を探す。

そうすることで、ヨロヨロの生活にちょっとだけ張りが出る。

きっとこんな風に、お墓や仏壇を守ることで、女たちは生活の中にちょっとした息抜きをしていたんじゃないだろうか。
朝、赤ちゃんを出産してその午後には畑に出るような農家のお嫁さんでも、日曜日に子供と出かけたことがないラーメン屋さんのおかみさんでも、お仏壇のためにお茶を淹れ、花を活ける。面倒臭いけど、その時間だけ日常からふっと離れられたんじゃないかなあ。


まあ、そんなことを考えていたものだから、母が急病で入院している間、実家で毎朝、庭の花を切ってお茶と一緒にお仏壇にお供えした。
紫陽花にホタルブクロ。ランタナ、デイジー、ビヨウヤナギ。いろいろ咲いていたので、困らなかった。

全然、実用的じゃない、ただ気分に効くだけのもの。
お仏壇を口実に、女たちが享受してきたちょっとしたぜいたく。

そんなものをお供えして、今朝も勝手なお願いごとをする。

家族で仲良く前向きにやっていけますように。
お山のてっぺん辺りから見守っていてください。

こっちは何とかなるから。
家のお母さんをよろしく。

















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〔テーマ:ひとりごとのようなものジャンル:日記

 









        
 
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